レッドロケッツ応援記  ~1/25 対岡山シーガルズ戦 ホームとどろきで難敵に快勝し、2位に浮上~

  info_category1.gif2015/01/26



 仮に相手との力関係が五分五分の時、勝敗を分けるのがサポーターの後押し、ということは少なくない。とりわけレッドロケッツのホームゲームでは、4対6程度の劣勢であっても、それを跳ね返してしまうくらいの強力なサポーターの存在が心強い。川崎市とどろきアリーナでの今季初のホームゲームは、そのことを改めて感じさせてくれる2日間だった。
 悔しい敗戦となったが、いきなり2セットを奪われ、第3セットでマッチポイントを握られた所からフルセットへと持ち込んだ24日の上尾メディックス戦について、山田監督も「敗れた悔しさはあります。でも、ストレートで負けても不思議ではない中、応援のおかげで粘り、なんとか1ポイントを挙げることができた」と語っている。現在 、プレミアリーグは首位の久光製薬スプリングスが頭一つ抜け出し、2位以下は混戦。この日の第1試合で上尾が勝利したことにより、レッドロケッツは勝てば2位に浮上する一方、負ければ4位に転落という状況で、難敵・岡山シーガルズに挑んでいった。
 
「シーガルズさんはいつも淡々としていて、ラリーが速く、タッチなどのプレーが多いことはわかっていました。(ストレートで敗れた)1レグの反省を生かして、そういうタッチを逃さないとか、相手のムードに飲まれないことを全員が意識して臨みました」
 そんな近江の言葉通り、レッドロケッツは序盤から高い集中力を発揮する。上野の速攻で先制し、近江の得点の後、イエリズはブロックと高い打点のスパイクを決めた。白垣も続き、7-6からは近江の絶妙なフェイントなどで5連続得点。一気に流れをつかんでからもレッドロケッツは攻撃の手を緩めず、白垣のブロック、イエリズのフェイント、上野のサービスエースで18-9と相手を突き放した。途中交代で入った柳田が思い切りの良いスパイクを叩き込み、サーブレシーブが乱されても島村が難しい二段トスを決めきって、綻びは見せない。終盤には白垣がライトからのスパイクと豪快なバックアタックを決め、25-18。最高の形でレッドロケッツが第1セットを先取する。



 第2セットは相手がメンバーを入れ替えて対応してきたこともあり、ほぼ互角の展開。1点差以上開く場面は終盤までほとんどなかったが、レッドロケッツは集中を切らすことなく、1点ずつ積み重ねていく。岩崎が素早い反応で相手スパイクを拾い、白垣が先制点を挙げると、イエリズがスパイクと鮮やかなブロックポイント。近江はネット際の押し合いを制し、6-7の場面で送り込まれた柳田はすぐさまスパイクを決めて渾身のガッツポーズを見せた。山田監督が「ここの所、封じられることが多かったミドルを突破できたことが大きい」と話したように、センターからの攻撃が効果的だった。
「先週もその前の週もあまり調子が良くなく、この1週間は自主練も残って、クイックのコース幅を広げたり、スパイクのフォームの改善をみっちり取り組みました。今日はその成果が出せたと思います」。そう話した上野がさっそく速攻を決めると、同じくセンターの島村も確実にチャンスをものにした。セッター山口はツーアタックで相手の意表を突き、柳田は鋭いスパイクで相手ブロックをかいくぐった。緊迫した攻防が続いたが、18-18からイエリズの連続得点で一歩抜け出すと、そこから常に1~2点のリードを保ちながら試合を運び、セットポイントでは途中交代で入っていた家高が得意の高速ブロードを披露。25-23でこのセットもレッドロケッツが奪った。
「いいぞー!」「このまま行こう!」。会場を真っ赤に染めたレッドロケッツサポーターが、テンションを最大値に上げながら応援グッズを打ち鳴らす。第3セットも1回目のテクニカルタイムアウトまでは接戦だったが、徐々にレッドロケッツが押し込んでいった。 11-9からイエリズの強打で長いラリーを制し、白垣のサーブで相手の守備を崩すと、上野がダイレクトで押し込んだ。14-10の場面で投入された鳥越は好レシーブを連発。ワンポイントブロッカーを起用し、セッター不在のラリーでは、「ビクビクせずに、セッターになりきってトスを上げるつもりでプレーしました」と、正確なトスで近江の得点をお膳立てした。16-11からの5連続得点で大量リードを奪い、近江と白垣の得点の後、柳田は山口との息の合ったコンビでセンターに切れ込んでスパイクを突き刺す。マッチポイントでは相手のスパイクミスを誘い、25-13で第3セットも獲ったレッドロケッツがストレートで快勝。8勝目を挙げ、岡山をかわして今季初めて2位に浮上した。



 山田監督は「各選手がそれぞれの良さを出してくれました。今日の試合は崩れてから他のメンバーが入るのではなく、スタートのメンバーも、そして、後から入る選手も役割をしっかりと果たしてくれた。そういった意味でチームとしての相応効果を出せたと思います」と選手たちの健闘を評価。その上で、「来週からはここまで課題をもらった上尾、久光製薬、東レアローズとの試合が続きます。この勝利を次の戦いにつなげていきたい」と早くも気持ちを切り替えていた。
 試合後のファンイベントでは、サポーターとの触れ合うことで選手たちは日頃の感謝を示し、秋山キャプテンが「試合をやるごとに成長していきたい。これからの試合でしっかり勝利ポイントを重ねて、また来月のホームゲームに帰ってきたいで す」と挨拶した。ホームとどろきで大きな自信と手応えをつかんだレッドロケッツは、さらなる高みを見据えながら一歩ずつ突き進む。







~多彩かつ強気なトスで攻撃陣を操る司令塔~

 四天王寺高校、東海大学時代は全国レベルで活躍。2011年にはユニバーシアード日本代表選出、全日本インカレMVP受賞と輝かしいキャリアを誇る。今季からレッドロケッツに加わり、ここまで全試合でスタメン出場。その名の通り、チームの〝要〟として若いアタッカー陣をうまくコントロールしつつ、チームに新風を吹き込んでいる。
 レッドロケッツでの初のホームゲームとなった24日の上尾戦は、セッターとしての役割を十分に果たせなかったことを悔やんだ。「ミドルからの攻撃が少なく、相手に的を絞られたり、サイドのアタッカーをきつい状態で打たせることになってしまった。センターの前に(自分は)いたのに、そこを勇気を持って使えなかったし、少しバタバタする場面が多かった」
 しかし、そうした反省をすぐに生かせるあたりが山口の強さだ。「今日は積極的にセンターやバックアタックを使って、相手に的を絞らせないように意識しました」と、試合開始直後のプレーからセンター上野のクイックを引き出し、良い流れを呼び込んだ。第2セット中盤には鮮やかなツーアタックで自ら得点を挙げると、第3セットも多彩なトスワークで相手を翻弄。1レグで完敗している岡山に対し、ストレート勝ちで雪辱を果たした。
 試合後にはレッドロケッツに移籍してから初となるヒーローインタビューを受け、「いつもたくさんの方に応援をしていただいているし、ホームゲームなので絶対に勝ちたかった」と笑顔で話した。レッドロケッツサポーターの盛り上がりが、とにかくすごかったと言う。「体育館のほとんどが真っ赤で、マスコットのルナちゃんがいたり、今まで味わったことのない雰囲気でした。試合中もみなさんの声が聞こえてきたので、本当に力になりました」
 この勝利でチームは2位に浮上したが、山口は「嬉しいけれど、リーグはまだ続く。もっと頑張っていかないといけないと思っています」と少しも気を緩めていない。頼れる司令塔は、これからもレッドロケッツに歓喜をもたらし続ける。
(取材・文・小野哲史)
 

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