レッドロケッツ応援記 ~2/15 対デンソー ファイナル6へ向けさらに進化の証を見せた逆転勝利~

  info_category1.gif2015/02/15


 
 レギュラーラウンド残り3試合を残し、ファイナル6進出を決定。だがこれはまだ通過点だ、と山田監督は言う。
「去年も含め、今まで勝っていないチームに勝てるような練習をこの夏場で積み重ねてきました。ファイナル6が決まったからといって、本当の勝負はここから。これからが、負けられない戦いです」
 昨年までとは異なり、レギュラーラウンドの順位によってファイナル6ではポイントが加算される。ファイナル6が決まったからOK、ではなく、最後に頂点に立つためにはレギュラーラウンドをできるだけ上位で終え、ポイントを獲得してファイナル6、さらにはファイナル3、そしてファイナルへと進む。山田監督の言葉通り、まさにこれは通過点であり、これからが本当の勝負と言っても過言ではない。



 1つでも上位でファイナル6へ進みたいと勝利を目指すレッドロケッツに対し、ファイナル6進出に向けた厳しい戦いが続くデンソーエアリービーズもやはり、1試合1試合、レッドロケッツ以上に負けられない試合が続く。レギュラーラウンドでは最終戦となる両者の対戦、序盤から互いの意地と意地がぶつかる白熱した展開が繰り広げられた。
 前半からスタートダッシュを狙うも、第1セットはデンソーの勢いが上回っていた、と島村は言う。
「相手のほうが苦しい状況に置かれているので『絶対に勝つんだ』という気持ちの強さがありました。それを受けてしまうのではなく、跳ね返さなければならないのに自分たちのペースがつかめないまま試合を進めてしまった。ファイナル6以降、これからの戦いでは絶対にやってはいけない形でスタートしてしまいました」
 山田監督も、まさにその「立ち上がりの悪さ」と「相手の勢いを跳ね返せなかった」ところを課題に掲げた。
「特にスタートから出る選手には、うまくいかない状況でも自分たちで勢いやリズムをつくる責任がある。もっと軸となる選手がしっかりしなければならない、と思い知らされた試合でした」

 捨て身でぶつかってくる相手の勢いに押され、第1セットを失う。立て直しを図るべく、第2セットのスタートからは山口に代えて秋山、イエリズに代えて柳田を投入した。そしてこの起用がピタリと当たり、躍動感のある柳田の攻撃を生かし、秋山が落ち着いたトスワークを展開。前半はやや決定本数が少なかった島村や白垣も試合が進むにつれて調子を上げ、第2セットを25-19で奪取すると、第3セットも25-20で連取した。
 完全に勢いに乗ったレッドロケッツは、第4セットも攻めのバレーを展開。その中心とも言うべき活躍を見せたのが、柳田だった。山田監督が「打つコースの幅も広く、限られた場所、得意な場所だけでなく、いろいろなポイントへ打てる選手。今日は本当に助けられた」と言うように、抜群の跳躍力と機動力、パンチ力を存分に発揮した攻撃で次々に得点を重ね、粘るデンソーを突き放す。柳田だけでなく、近江や白垣のスパイクも要所で決まり、第1セットとはまるで別のチームのように、コートの至るところから仕掛けられる攻撃が面白いように決まった。
 常に主導権を握りながら終盤を迎え、19-11と8点をリードした場面では、内定選手として今節からベンチ入りを果たしたルーキーの古賀を投入。高校在籍時から日本代表候補に選出された大型ルーキーがレッドロケッツの選手として、Vリーグの選手としてデビューを飾り、直後にレフトからのスパイクで初得点。「めちゃくちゃ緊張して、心拍数がいつもの倍以上でした」と照れ笑いを浮かべた。



試合の立ち上がりこそ課題が残るものとなったが、第2セットからはレッドロケッツのペースで試合を進め、鮮やかな逆転勝ちで3ポイントを獲得し、ファイナル6、さらには来週のホームゲームへ向け、大きな弾みをつけた。
 とはいえこれはあくまで通過点であり、さらに強いチームへと進化を遂げるための過程でもある。レギュラーラウンド最終節となるホームゲームへ、そしてファイナルラウンドの戦いへ向けてキャプテンの秋山が言った。
「1試合1試合の経験を通してチームとしてもっと成長できるように。ファイナル6が決まったからと言って気を抜くことなく、これからもチーム力を高めていきたいです」
 頂点を目指して。1人1人が今以上の力を備えた、強いチームとなるために。レッドロケッツの戦いは、ここからが本番だ。






 連続得点で盛り上がるコートの中では、できるだけ冷静に。逆に相手が連続得点し、やや雰囲気が沈む時には、率先して声を出して盛り上げる。
 目立たなくてもいい。
リベロとして確実に役割を果たすべく、岩崎紗也加は自らを叱咤しながら、変わらない表情の中に熱い心を隠し、コートに立ち続ける。
 移籍1年目の昨年はシーズン途中でケガに見舞われ、試合に出場することができず、チームのために働くことのできない歯痒さを抱えていた。苦い経験を決して無駄にすることなく、さらなるステップアップを遂げるべく、長いリーグを戦うためのコンディショニング維持を重要課題として、並々ならぬ思いを持って、今シーズンに臨んだ。
 ミドルブロッカーがバックアタックを打つなど、攻撃重視の布陣で戦う今シーズンは、守備の要である岩崎にとっても経験したことのないことばかり。目まぐるしく変わる動きの中でいかにスパイカー陣を生かすか。それが自身にとっては大きな課題だった。
「スパイカーが攻撃に専念できるようにするためには、まず1本目のパスを返すこと。それだけは絶対にやらなきゃ、と思って取り組んできました」
 相手の強烈なスパイクを体全体でレシーブしたり、届かないのではないか、と思うようなボールをフライングでレシーブするような派手なプレーをすれば、会場は一気に盛り上がる。だが、岩崎が目指すのはそれだけではない。
「ブロックフォローや、つなぎのプレー。数字には表れにくいし、目立つプレーではないけれど、スパイカーやチームのために少しでも貢献できるプレーがしたい。課題はたくさんあるけれど、逃げずに向き合って、メンタルも、プレーの質も試合の中でもっともっと高めていきたいです」
 初めてのファイナルラウンドへ向けて、秘めた闘志を静かに高める。
 目立たなくてもいい。すべては、チームのために――。

アーカイブ