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レッドロケッツ応援記 ~2/28 対東レアローズ戦  選手1人1人が役割果たし、V・ファイナルステージを白星スタート~

  info_category1.gif2015/03/02



 大阪市中央体育館で幕を開けたV・ファイナルステージ。まずは1回戦総当たり方式の「ファイナル6」に、久光製薬スプリングスに次ぐ4点のポイントを付与されて臨むレッドロケッツだが、負けられない戦いが続くという意味では、これまでのV・レギュラーラウンドと何ら変わりはない。上位6チームに絞られたステージと考えると、むしろ、より厳しい戦いを覚悟しなければならないとも言えた。
「(ファイナル6の対戦相手は)レギュラーラウンドで負け越しているチームが多かった。そういう面でも、チャレンジャーの気持ちで戦おうと監督から言われていましたし、私たちもそれを意識して、この初戦を全員で勝ち切ろうという共通認識がありました」
 近江は選手全員の思いをそう代弁した。しかし、試合前日にイエリズが右手を負傷するアクシデントが発生。上野は「最初は少し戸惑ったけれど、イエロの分までと思い、試合に臨みました」と振り返る。攻撃陣の主軸の離脱は痛かったが、そのことで逆に、今まで何度もチームを救ってきたイエリズのために勝利をつかもうと、チームの絆が一層強くなった効果もあったようだ。


 
 第2レグと第3レグで敗れている東レアローズに対し、この日のレッドロケッツは、「相手のサイドアタッカーの決定率を下げる。そのために、相手エースにうちの強いブロックを当てる」(山田監督)という戦い方で勝利を目指した。作戦は奏功したが、大きなリードを奪うには至らず、第2セットと第3セットの序盤に主導権を握りかけながらも、すべてのセットが終盤までもつれる接戦となった。そして、山田監督が「どのセットも終盤に高い集中力を見せてくれました」と語った通り、いずれのセットも競り勝ったのがレッドロケッツだった。
 山口のツーアタックで先制した第1セットは、17-17までは近江や島村、初スタメンを任され、「緊張していた」と語る柳田の攻撃を軸に得点を重ね、「先週ぐらいから当たってきた手応えがあった」という上野の速攻で一歩抜け出す。途中交代で入った鳥越の完璧なサーブレシーブから白垣は強烈なスパイクを叩き込んだ。その後、粘る東レに22-21と1点差に迫られたが、タイムアウトで落ち着きを取り戻したレッドロケッツは、近江と柳田の連続得点で25-21と逃げ切りに成功する。



 この日、攻撃陣でとくに光ったのが柳田だったとすれば、守備で輝きを放ったのがリベロの岩崎だった。「前回の対戦では、なかなか自分たちのペースに持っていけないまま負けて悔しい思いをしたので、今日はスタートからNECらしいバレーで、常に攻める気持ちを忘れずに強気でプレーしました」と、地元開催の試合でコートを縦横無尽に駆け回った。第2セットの立ち上がりには鋭い反応からのワンハンドレシーブで上野の速攻に結びつけ、セット半ばの白垣のブロックも岩崎の好守が起点となった。19-22と苦しい状況に追い込まれた場面では、島村のスパイクと1枚ブロックで1点差とし、岩崎や近江を中心としたレッドロケッツの懸命のディフェンスが相手のスパイクミスを誘って、ついに同点。その直後のポイントでも神がかり的なレシーブを連発し、近江の逆転となるスパイクにつなげた。セットポイントも岩崎の丁寧なアンダーハンドパスを柳田が決め、25-23。「相手の粘りに負けないように、ブロッカーとレシーブの連携をしっかり意識しながらプレーしました」と、コート後方でまさに守護神として控えた岩崎の存在が、チームの大きな推進力になっていた。
「(ファイナル6は)ポイント制なので、フルセットに持ち込んでしまうとポイントが低くなる。1セット目を必ず獲って、そこから勢いに乗って、3-0で勝とう」
 前日の選手ミーティングでは、そんな話し合いがなされたと近江は言う。柳田の得点で始まった第3セットも、岩崎らがつなげたラリーを白垣が意表を突くフェイントで決めるなど、良いリズムで試合を進めていく。島村はクイックやブロックに奮闘し、白垣は豪快なバックアタックで持ち味を発揮した。チーム全員の「サーブで攻める」という意識も高かった。序盤、近江がダイレクトで叩いたスパイクは、上野が鋭いジャンプサーブで相手守備を崩して生まれたもの。7-7の場面では白垣が、終盤の18-19の場面では山口がサービスエースで相手に大きなダメージを与えた。24-21で迎えたマッチポイントも上野がエンドラインいっぱいに決めたサービスエースで勝利をたぐり寄せた。


 
 山田監督は試合後、「リードされたところでもよく踏ん張って、これまでやってきたことを出し切ってくれました。感動しましたね。これでまた強くなったと思います」と、満足そうに選手たちを讃えた。V・ファイナルステージから各試合の勝利に最も貢献した選手に贈られる「V.Leaguer Of The MATCH(VOM)」は、岩崎が受賞し、「拾ってつないだボールをスパイカーがきっちり決めてくれたおかげ。これからまだ大事な試合が続くが、みなさんの応援を力に、拾ってつなぐ粘り強いバレーを続けていきたい」と力強く語った。間違いなく大きな、とてつもなく大きな1勝だった。
 ただ、次節の京都大会では、ともに初戦を落とした岡山シーガルズと日立リヴァーレが相手。おそらく死に物狂いでレッドロケッツに襲いかかってくるだろう。ここで2連勝できれば、次のラウンドに進出できる3位以内がぐっと近づくが、チャンピオンへの道程は、まだ遠く険しい。そのことも肝に銘じておく必要がある。







~チーム最多得点をマークしたラッキーガール候補~

 勝負の世界、とりわけ短期決戦では、「勝つために必要なのは、ラッキーパーソンの出現」と言われる。それまでの実績とは別に、チームを一気に上昇気流に乗せるようなパフォーマンスを見せる選手のことだ。V・ファイナルステージを短期決戦と考えるなら、柳田はその第一候補に名乗りを挙げたかもしれない。
 東レ戦の前日に攻撃の柱であるイエリズが負傷し、急遽巡ってきたスタメン出場だったにもかかわらず、ルーキーらしく伸び伸びとプレーした。バックアタック3本を含み、スパイクだけでチーム最多となる16得点をマーク。得点を決めるたびに高々と右腕を突き上げるガッツポーズで喜びを表現し、山口や白垣らがその柳田を囲んで和になるシーンが何度も見られた。試合前夜に山田監督から先発起用を告げられ、「緊張していた」と笑うが、「先輩たちの心強い声やプレーでフォローしてもらい、徐々に緊張もほぐれて思い切ってプレーできました」と振り返る。10回あったサーブレシーブの機会も無難にこなした。
「レフトに入るということで、相手ブロックが2枚来るケースが多いのですが、攻撃力があって今日も苦しい場面で何本も決めてくれた。イエリズの抜けた穴をカバーしてくれたのが、チームの勝利に大きくつながったと思います」と、柳田の対角に入っていた近江は後輩のプレーぶりを頼もしく見ていたようだが、近江以上に柳田を高く評価したのは山田監督だ。
「(思った以上の活躍に)びっくりしました。試合に出るたびに、経験を積むたびに良くなっています。今日も前から、後ろからと攻撃面で伸び伸びと力を発揮してくれて、その伸びしろの多さに驚いています」
 もちろん、当の本人にはルーキーだからといった甘えや、先輩たちに任せておけばいいというような考えはない。「全員でバレーを作っていこうというのがチームの目標なので、スタートからコートに入っていようと、いまいと同じ気持ちで普段から練習をやっています」と優勝を目指すチームの一員である自覚を示し、「大事なところで決められたのは練習の成果ですが、安定感やディフェンスの面でもっと努力していきたい」と貪欲さものぞかせた。柳田のその底知れぬ潜在能力に、ますます目が離せない。
(取材・文:小野哲史)
 

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