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レッドロケッツ応援記 ~3/7 対岡山シーガルズ 2人のセッターがつくった“必勝リレー”でもたらしたファイナルラウンド2勝目~

  info_category1.gif2015/03/09

 ファイナル6のスタートを勝利で飾り、2戦目はレギュラーラウンド3位の岡山シーガルズと対戦。どの試合も一戦必勝のファイナルラウンドとはいえ、優勝決定戦進出を目指すために、岡山は絶対負けられない相手でもある。
試合開始を30分後に控えたコートで、選手たちが円陣をつくる。
「絶対勝つぞ!」
体育館に響き渡る声と、応援席から送られる「がんばれ!」の声。次なるステージへ向けて、そして、レギュラーラウンドの最終節、とどろきで喫した悔しい敗戦のリベンジを果たすべく、レッドロケッツの選手たちは岡山戦に臨んだ。

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 絶対に勝つ。そんな思いの強さからか、第1セットは岡山が先行し、レッドロケッツは追う展開を強いられる。何かが悪い、というわけではない。しかし、普段通りのプレーをするきっかけがなかなかつかめないまま終盤を迎え、8-14と岡山に6点のリードを与えたところで、山田監督は山口に代えて秋山を投入した。「いつも通り。自分のやること、役割は変わらない、と思ってコートに入った」という秋山は、自身が入る前に先発の柳田と代わって投入されたルーキーの古賀にトスを上げる。
「まだまだ慣れないことも多いだろうし、遠慮してしまうのも当たり前。だからこそ、気持ち良く打たせてあげたいな、と思っていたし、相手のブロックが1枚とか、いい状況をつくって伸び伸びとプレーさせてあげたいと思って(トスを)上げました」
ライトから鋭角にクロスに放たれたスパイクが鮮やかに決まり、古賀の笑顔が弾ける。その後もラリー中にバックアタックを使ったり、レフトへの高い軌道のトスを打たせるなど展開を見ながら古賀をうまく使い、さらにレフトだけに偏らないようにセンターからの攻撃やバックアタックも絡めるなど多彩な攻撃でアタッカー陣を守り立てる。
 「トスを上げていて、全員の『攻撃に入る』という気持ちを強く感じました。私自身も『みんなが攻撃に入っている』と思ったからどこにトスを上げても決まる気がしていたし、相手のブロッカーはコート全体から攻められている感覚があったと思います」
第1セットを失いはしたものの、秋山の丁寧で冷静なトスワークでリズムをつかんだレッドロケッツは次につながる確かな手応えを感じていた。

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 第2セットは第1セットと同様にスタートで山口を起用。上野に代わって第2セットからスタートに入った大野や、第1セットでも活躍した古賀をうまく使い、レフト、ライト、センターとさまざまな場所から攻撃を展開する。
 さらに「意識的に多く(トスを)上げた」というバックアタックも、近江や古賀、柳田や島村など持ち味の違うスパイカーが入ることで相手のブロッカーは攻撃が絞りにくくなり、相手のブロックが少ない状況で攻撃する機会が増え、レッドロケッツの勢いが加速する。「攻撃枚数を減らさないということがチームのテーマなので、自分自身も相手のブロックを見ながら余裕を持ってトスを上げることを心がけた」という山口のトスから、多彩な攻撃を展開したレッドロケッツが第2セットを逆転で奪取。ファイナル6のプレッシャーなどどこ吹く風、柳田や古賀といった若い選手が躍動し、第3セット以降は完全に主導権を握り、岡山を圧倒。山口が「絶対に拾ってくれる安心感があったし、苦しい時に助けられた」という岩崎、近江のレシーブもチームの武器となり、第3セットは25-22、第4セットは25-14という大差をつけて岡山を下し、ファイナルラウンドのトータルポイントを10と伸ばした。

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 貴重な1勝、しかも3ポイントを得たことはもちろんチームにとって大きな収穫ではあるが、それ以上の収穫があったと山田監督は言う。
 「セッターの2人がどちらも良かった。それぞれの持ち味を発揮して、相手がマークしてきたところをうまく外し、自チームの攻撃陣を生かす。いいところを存分に出してくれました」
 これまで、レギュラーラウンドではセッターが交代する際はコンビが合わなくなったり、劣勢になったり、山口が「崩れたら代わる、という感じだった」と言うように、交代するセッターには修正力を余儀なくされた。もちろんこの試合でも第1セットに秋山を投入した際、秋山自身も「普段とやることは同じだと思っていた」と言うように、流れを変えるというのが第一の目的であったのは確かだが、決して山口が悪かったからというわけではない。実際に第2セットから山口が持ち味を発揮して勝利したように、2人のセッターによるリレーがアタッカーを勢いづけ、チームに勝利をもたらす。これまでとはまた違う形で得られた勝利であることも、この試合で得られた大きな収穫だった。

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 秋山は言う。
「クゥ(山口)を助けなきゃ、という気持ちよりも行けるところまで伸び伸びやってほしいと思いながら見ています。たとえ劣勢で自分が入ることがあったとしても、『ここまでクゥが作ってくれたから、もっといい流れに持って行こう』と思えるし、自分が入る以上は何かを変えないと意味がない。これからもサポートすべきところはサポートして盛り立てていきたいです」
 そして、山口はこう言う。
「苦しい時にアキさんがリズムを変えてくれることで助けられたのは数えきれないぐらいにあるし、いつもは『お願いします』という感じで交代するんです。でも今日は、お互いにいい流れをつくってバトンタッチすることができた。こういう形ができたら、これからもすごくいいと思う。2人で、いいバトンタッチができた初めての試合でした」
 まさに“チーム”として得た大きな2勝目。ファイナルラウンドも変わらない。戦うたびに、レッドロケッツはまだまだ進化する。

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~勝負どころこそ、より光輝く。~

 ファイナル6の第2戦、レギュラーラウンド2位、3位同士の対戦となった岡山戦は、近江あかりの真骨頂とも言うべき一戦となった。
 レギュラーラウンドの3レグでは悔しい敗戦を喫していることから「絶対に勝ちたい、という思いが強かった」と言うように、第1セットの序盤は勝利を求めるがゆえ、余分なプレッシャーが加わり、岡山が先行する。結果的にこのセットは18-25で失ったのだが、近江自身もチームも「ここからいける!」という確信があった。なぜなら、相手にリードを与えてはいたものの、第1セットの終盤から徐々にレッドロケッツの強みである粘り強いレシーブ、つなぎが随所で発揮されるようになったからだ。
 きっかけは、近江の右腕ならぬ、右足。
 ブロックに跳んだ後、仲間が拾ったボールを何とかつなげようと咄嗟に右足を出した。後で振り返れば「とにかく必死でした」と笑うが、「絶対に負けない」という気持ちの強さがまるで乗り移ったかのように、近江がつないだボールは落ちずにレッドロケッツのチャンスとしてつながる。長いラリーとなったボールを、最後はセッターの秋山がバックセンターの古賀にトス。ノーマークで放ったスパイクが得点となり、そこから徐々に本来のバレーを展開できている、という手応えを感じた。
第2セットも岡山に先行されたが、変化を加えた近江の攻撃に相手が翻弄され始めたのも、レッドロケッツに流れを引き寄せた一因だ。
「同じことをしてもダメ。自分が動いて打つ場所を変えたり、これまでとは違うことをしなきゃ、と思っていろいろやってみたら点数につなげることができたので、チームだけじゃなく、自分自身も勢いに乗れました」
 スパイクに限らず、リベロ顔負けのレシーブや、1枚で相手の攻撃を仕留めるブロック。まさに大黒柱と呼ぶにふさわしい活躍で逆転勝利の立役者となった。
 ファイナル6で連勝できたということだけでなく、特別な感情もある。
 入社3年目を迎えたが、実は近江にとっては、この岡山戦は地元・京都で行われる初めての試合だった。
「いつもと違う感覚、地元で戦える喜びがありました。レギュラーラウンドを2位通過できたから、地元で2試合できることになったのがすごく嬉しかったし、勝てて本当によかった。気持ちを切らさず、明日も勝って、京都で連勝します」
 絶対に負けない。誰よりも強い心を力に変えて。自身にとっての“ホーム”ゲームで岡山にリベンジを果たした近江の笑顔は、コートの中と同じように輝いていた。

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