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レッドロケッツ応援記 ~3/14 対上尾メディックス戦  持ち前の粘りで激戦のデュースを制し、ファイナル6での2位以内が確定~

  info_category1.gif2015/03/16


 
「終盤に竸ったあのセットを獲れたのが、とても大きかった。諦めない気持ちと絶対に負けない思いが相手より上回っていたと思います」
 激戦の後、山口がそう振り返れば、島村も「あそこまで競り合って、最終的に粘り勝ちできたところから波に乗れた。あのくらい切羽詰らないと自分たちのペースに持ってこられないというのは課題ですが、そこでセットを獲れたのも自分たちの成果」と語っている。「あのセット」とは、度重なるデュースの末に36-34で奪った第2セットのことだ。チームの誰もが、もつれにもつれた第2セットを制したことが、勝負の分かれ目になったと感じていた。
 前節に喫した敗戦により、ファイナル6から次のラウンドに進出するためには、この日の上尾メディックス戦は絶対に負けられない戦いだった。しかし、第1セットは相手の勢いに押され、18-25で落としてしまう。レッドロケッツは一時、6点つけられていたリードを13-14まで盛り返す意地を見せたものの、追いつくまでには至らなかった。ただ、山田監督はそれほど悲観的に考えていなかったという。
「サーブで崩して少しでも相手のセンター攻撃を封じ、トスをサイドに集めるという狙いは徐々にできつつありました。セットを獲られはしましたが、それを継続していけば、しっかり対応できそうな雰囲気にはありました」


 
 その言葉通り、第2セットは大野の速い攻撃、近江のブロックや相手コートのど真ん中に落とす技ありのバックアタックなどで、11-6と試合を優位に進めていく。だが、負けられないのは上尾も同じである。レッドロケッツは、島村のブロックや柳田のスパイクで何とか相手の追撃をかわしていたが、18-16からの3連続失点でついに逆転を許し、それ以降は一進一退。流れを変えるべく送り込まれた古賀の連続得点で再逆転に成功し、23-23の場面では、「攻める気持ちしかなかった。今日は冷静さと熱さが良いバランスでできた」と語る秋山の起死回生のブロックが決まるも、直後のセットポイントで決着はつかなかった。白垣は自らのスパイクミスをすぐに取り返す気迫を見せ、相手のセットポイントは秋山の絶妙なツーアタックで逃れた。
 レッドロケッツらしさが集約されたのは、32-33で迎えたポイントだろう。ここで落とせば、セットカウントは0-2となり、絶体絶命の窮地に追い込まれる。息をもつかせぬ長いラリーとなり、相手エースが次々と強打を打ち込んできたが、岩崎のスーパーレシーブや近江らの身体を張った守備で必死につなぎ、最後は柳田が切り返した。この日、大田区総合体育館をホームのような雰囲気に変え、選手たちを後押ししていたレッドロケッツサポーターは、柳田の得点が決まった瞬間、会場のボルテージを最高潮に押し上げるほどの大歓声に包んだ。そしてその後、このセット6度目となる上尾のセットポイントを近江のスパイクでしのいだレッドロケッツは、島村が相手攻撃を2本連続でシャットアウトし、41分間に及んだ長いセットに決着をつけた。


 
 この時点でセットカウントは1-1のタイ。しかし、死闘とも言える第2セットを奪った側と、落とした側のメンタリティの差は推し量るべくもない。大野も試合後、「もし、2セット目を落としていたら、3セット目もずるずる行っていたかもしれない。長いラリーになってもしっかり得点できたのが良かった」と語っている。精神的にも大きなアドバンテージを得たレッドロケッツは第3セット、近江のフェイントや白垣のブロックで3点を先取し、11-6と完全にペースをつかむ。
「相手のブロックシステムを考えて、速いクイックをどんどん使っていきました。それによってサイドも生きてくるし、アタッカーに気持ちよく打ってもらえるトスを意識しました」と語る山口は、大野や島村のセンター線を生かしつつ、サイドアタッカー陣の持ち味を巧みに引き出していく。近江、白垣、柳田らはその期待に応え、高いアタック決定率をマーク。ピンチサーバーで起用された鳥越はサービスエースで見せ場を作り、岩崎も広い守備範囲で相手のスパイクミスを誘うなど、コートに立つ者すべてが各自の役割をまっとうした。


 
 25-19で第3セットを奪った レッドロケッツは、第4セットに入っても高い集中力で相手に対抗する。柳田は左右どちらのサイドからも思い切りの良いスパイクを放ち、ブロックポイントやサービスエースと躍動。さらに相手のツーアタックを素早く拾って、山口のツーアタックをお膳立てした。白垣が豪快なバックアタックを決めれば、大野も山口に代わって入った秋山との完璧なコンビから力強い速攻を打ち込んだ。その後も危なげなく得点を重ねたレッドロケッツは、終盤に島村のブロックでマッチポイントを握り、最後は近江が締めくくって、25-20。ファイナル6での3勝目を挙げた。
 
 この勝利で通算ポイントを「13」と伸ばし、ファイナル6での3位以内が確定。そして、翌15日には3位以下のチームがポイントを伸ばせなかったことで、2位以内も決まった。ファイナル6最終戦となる次節の相手は、ここまで3連勝中の女王・久光製薬スプリングス。残り試合がレッドロケッツより1試合多く、1位通過に最も近い位置にいる最強の相手だが、チーム最多の22得点を挙げ、この試合のVOM(V.Leaguer Of The MATCH)に輝いた柳田は、ヒーローインタビューできっぱりと言い切った。
「最終目標は優勝。それに向けて来週も絶対、3ポイントを獲りにいきます!」
 ファイナル6では、レギュラーラウンドで負け越していたチームを次々と撃破してきたレッドロケッツ。その勢いで、いよいよ今リーグのラストスパートに入っていく。







~切り込み隊長としての役割を果たす~

 昨年は全日本の一員として国際大会で貴重な経験を積み、大きな飛躍を遂げた。今季はそこで得た自信をさらなるステップアップの材料にし、リーグ戦開幕前には、「中堅という立場になったので、しっかり後輩たちを引っ張っていきたい」と語っていた大野。それを示すかのように上尾戦では得意の速攻やブロック、攻撃的なサーブでチームの勝利に貢献した。まるでホームゲームのような雰囲気を作り出してくれたレッドロケッツサポーターの声援も大野には大きな力となったようだ。
「自分がサーブを打つ時やポイントを決めた時にかけてくれる声が力になったし、元気をもらえました」
 デュースが続いた第2セットでも、終盤の重要なポイントで速いクイックが炸裂。「リードブロックの相手を崩すために、私がクイックで入って、相手のサイドのブロックの枚数を減らすことを意識しました。ある程度はできたけれど、もっともっとできるとも思っています」という言葉からは、大野の貪欲なまでの向上心が垣間見える。
 リーグ戦は残すところ、最大でも3試合だが、大詰めを迎えるV・プレミアリーグ。大野の進化はチームにとっても頼もしい限りである。
(取材・文:小野哲史)

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