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レッドロケッツ応援記 ~3/28 対上尾メディックス戦  序盤から主導権を握り、快勝でファイナルへの切符をつかむ!~

  info_category1.gif2015/03/30


 
 ファイナル6を2位で突破したレッドロケッツと、3位通過の上尾メディックス。レギュラーラウンドの成績によって付与ポイントがあったファイナル6とは違い、上位チームに与えられるアドバンテージはない。条件はイーブン。ファイナル3は、負けたら終わりの一発勝負だ。ゼビオアリーナ仙台に駆けつけたレッドロケッツサポーターも、大一番を前に緊張感を漂わせていた。ただ、選手たちの多くは必要以上のプレッシャーを感じることなく、闘志は静かに内に秘め、落ち着いて試合に入っていった。岩崎が言う。
「負けたら終わりというプレッシャーはありましたが、今までの試合と変わりなく、いつも通りの緊張感で試合に臨めたと思います」



 それでも、気迫はいつも以上だったのだろう。レッドロケッツの先制パンチは鮮やかだった。近江が「気持ちの面でも身体の面でも、選手一人一人がしっかりと準備をして挑んだのが、良いスタートにつながった」と語ったように、島村のブロード攻撃と速攻、白垣の2本のスパイク後、再び島村が決めて、いきなり5-0。その後、12-11と迫られたものの、白垣の強打で相手に傾きかけた流れを断ち切った。
 この試合、第2セットも白垣の得点や山口のサービスエースで5-2、第3セットは島村のブロード攻撃や近江の1枚ブロックが決まって6-2と、いずれのセットも序盤で好発進。しかも、追い上げられても、同点にされる前にもう一度、相手を突き放せたことが大きかった。島村はそこにチームの成長を感じたという。
「今まではスタートダッシュをできても、相手に追い越されてしまうことがあり、そこが課題でしたが、今日は最後まで抑えられたのが収穫でした」



 2点前後のリードを保ちつつ、終盤には大野のブロックと近江の強烈なスパイクで、第1セットを25-22で奪取する。その勢いで始まった第2セットは、一旦は7-6とされたものの、そこから山口の意表を突くツーアタックや島村の移動攻撃で4連続得点。山口は「速いトスをどんどん使って、相手に的を絞らせないように心がけた」と話したが、その期待に応えるように島村が56.3%、大野が46.7%と高いアタック決定率をマークし、相手の注意がセンターの2人に引きつけられると、今度は近江、柳田、白垣ら、サイドアタッカー陣がきっちり決めていく。主導権をがっちり握ったまま、第2セットも25-19と終始、危なげがなかった。
 光ったのは攻撃面ばかりではない。第3セットの1回目のテクニカルタイムアウト直後、リベロ岩崎の好レシーブと素早く反応したブロックフォローから島村が速攻を決めて、9-5。さらに岩崎はコート後方に弾かれたボールを身体を投げ打ってつなぎ、再び島村の得点につなげている。この場面以外でも、相手スパイクのコースにきっちり入って、味方の攻撃の起点となっていた岩崎は「相手のデータを頭に入れながらも、状況に応じて判断できたのが良かった」と胸を張った。岩崎や近江、途中交代で投入されることの多かった鳥越らが中心となって築いた粘り強い守備が、チームに良いリズムを生み出していたのは間違いなかった。「1点1点が勝ちにつながる大事なポイントだった」と、柳田はこの日も随所で思い切りの良いプレーを披露し、マッチポイントも見事なブロックで締めくくった。



 セットカウント3-0。快勝とも言える内容に、山田監督は「強い上尾さんが相手ということで、どれだけチャレンジできるか、チーム一丸となって準備をしてきましたが、選手は自分たちがやってきたことを伸び伸びと発揮してくれました。『ありがとう』と言いたいです」と選手たちを労った。
 今季、上尾とは2勝2敗。ファイナル6での対戦もそうだったように、勝利がどちらに転んでもおかしくないほどに両チームの力は拮抗している。ならば、これほど一方的な結果となった要因はどこにあるのだろうか。山口の言葉に、そのヒントが隠れている。
「今日は決勝に行くための大事な試合。コートの中の選手だけでなく、スタッフ、アップゾーンで声をかけてくれる選手やユニフォームを着れなかった選手も、みんなで一つになって戦えた試合だったと思います。相手は粘り強く、サーブもブロックも良いチームですが、私たちも絶対に負けないと常に攻めた姿勢で戦えたことが良かった」
 次週4月4日、ファイナルの舞台で戦う相手は女王・久光製薬スプリングス。近江が「決勝という舞台は初めてで未知の世界ですが、強い気持ちで臨みたい」と語れば、島村は「ワクワクしている心境。相手の胸を借りるつもりで挑んでいきたい」と意気込んでいる。山田監督は「難しい相手なのは承知の上。それでも、頂点を獲りに行くという意志を貫きたいと思います」と力強く言い切った。
 2004/05シーズン以来、10年ぶりとなる悲願のリーグ制覇まで、あと一つ――。レッドロケッツの選手たちが、思い残すことなく、「やれることはすべてやった」と、胸を張って決戦当日を迎えられることを願うばかりだ。






~屈辱を力に変え、チームを10シーズンぶりに頂点に導く~

 攻撃陣の軸として、レギュラーラウンドではチーム得点王。しかし前節、ファイナル6での久光製薬戦は1得点も挙げられず、途中でベンチに下げられる屈辱を味わった。「とても悔しかった。勢いのある助走ができず、打点が下がってブロックに捕まることがほとんどでした」と振り返る白垣。この日の一戦を迎えるまでの1週間、「悔いのないように」とみっちり練習を積んできたという。
上尾との大一番を前に、多くの選手が良い緊張感を保ちながら試合前のウォーミングアップに臨んでいた中、白垣は「正直、ガチガチに緊張していた」と笑う。
「自分の立場もあるし、練習してきたことがきちんと出せるかどうかとプレッシャーを感じてしまい、考えないようにしようと思えば思うほど、悪いことが頭に浮かんでいました」
 公式練習が終わり、ベンチ前でキャプテンの秋山が白垣の頬に両手を当てていたのは、表情の硬かった白垣をリラックスさせるためだった。その効果もあってか、「笑顔で、下を向かないでやろう」と開き直り、試合が始まると、すっかりいつもの自分を取り戻していた。立ち上がりの2得点でチームを勢いづけ、その後も要所で強烈なスパイクを決めていく。高いアタック決定率をマークした島村、大野、柳田らと比べると、26.5%はやや物足りない印象も受けるが、自身は「次につながる内容だった」と決して悲観してはいない。
 難敵の上尾をストレートで下し、あとは泣いても笑っても久光製薬とのファイナルを残すのみ。白垣は感慨深げに言う。
「一人ひとりが成長してきたリーグでした。夏場にたくさんの苦しい練習をみんなで乗り越えて、やっとここまで来たので、それをすべて出し切るつもりで最後の試合に臨みたいです。久光製薬には先週、悔しい負け方をしていますから、今度はやり返す。私たちが絶対にてっぺんを獲るという気持ちで、躊躇なく、スタートから突っ走りたいと思います」
 白垣の右腕が、レッドロケッツに10シーズンぶりとなる歓喜をもたらす。
(取材・文:小野哲史)

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