レッドロケッツ応援記 ~2/7 JT戦 序盤互角も後半に突き放され、雪辱ならず~

  info_category1.gif2010/02/08



 4ヶ月に及ぶレギュラーラウンドもちょうど半分の日程を消化し、2月からは早くも後半戦に突入した。我らがレッドロケッツは、第2レグ終了の時点で5勝9敗の5位。目下の目標である4強入りを確かなものにするためには、現在4位までにいるライバルたちの、少なくとも1チームを蹴落とさなければならない。
 第3レグ初戦となるアクシオン福岡でのトヨタ車体クインシーズ戦は、そんなレッドロケッツの気迫がプレーの前面に表れ、ストレートで相手を圧倒。山田監督も「スタートから集中し、粘り強く戦えた。要所で杉山、内藤のセンター陣がしっかり役割を果たしてくれた」と、一つの手応えをつかんだ一戦となった。
 ただ、選手たちはそこで満足していたわけではない。開幕戦は全28試合のうちの1試合に過ぎなかったが、6日のトヨタ車体に勝った時点で残り試合は13。つまり、試合を重ねていけばいくほど、それだけ分母の数が減り、1試合の持つ意味がより大きくなってくるわけだ。勝っても負けても、大切なのは次の戦いに気持ちを集中させること。しかも翌7日の相手、JTマーヴェラスは前日まで15連勝を飾り、首位を独走している。ここでなんとか一矢報いることができれば、リーグ全体が混戦に持ち込まれ、またレッドロケッツ自身も大きな自信を手にできるはずだった。




 策としては、2週間前の試合にヒントが隠されていた。2セットビハインドから、驚異的な追い上げでセットタイにした第2レグのJT戦である。結果的にあと一歩のところで敗れはしたが、今季のベストゲームと言えるレッドロケッツの粘りは、JT陣営の警戒心をあおるのに十分な内容だったのだ。内藤は言う。
「前回のJT戦は第3セット以降、サーブで相手を崩してこちらから仕掛けていけた。今日もああいうバレーをしたいと考えていました」
 立ち上がりこそいきなり3失点を喫したレッドロケッツだったが、内田の2本のスパイクで立て直し、杉山のブロックとブロードで加点。セット半ばに11-16と突き放されたものの、秋山の1枚ブロックやフォフィーニャのスパイクで一気に逆転に成功した。リベロ井野の好守から内田のバックアタック、フォフィーニャの高い決定力が光り、20-20までは緊迫した攻防が続く。
しかし、そこから相手のサービスエースと手痛いミスが出てしまう。流れを引き戻そうと有田、安藤が次々と投入されるも、22-25で第1セットを失った。




 それでも内容は決して悪くなかっただけに、第2セットを前にした選手の表情には、前向きな意味を含んだ笑顔さえ浮かんでいた。福岡市民体育館に駆けつけたサポーターの席からも、「いけるぞー!」「ここから、ここから。ファイトー!」といった威勢のいい声が飛ぶ。内藤の速攻と松浦の力強いライト攻撃で、着実に得点を重ねていくレッドロケッツ。リードしているのはJTだったが、秋山の頭脳的なツーアタックや杉山の気迫あふれるブロックでしっかりと食らいつき、3点以上のリードを許すことはなかった。
ところが、粘りがスコアに直結したのは14-17まで。「キム・ヨンギョンに得点されるのはある程度は仕方ない。ポイントは他の選手をどれだけ止められるか」と考えていた山田監督の思惑とは裏腹に、川原、位田といったサイドアタッカー陣に立て続けにスパイクを決められ、結局、16-25でこのセットも落としてしまう。




 後のなくなった第3セットは、ライトのスターターに有田を起用。セッター対角を入れ替えることでリズムを変えてきた、これまでの戦い方を踏襲した。目に見えるほど明らかな効果は生まれなかったかもしれないが、1回目のテクニカルタイムアウトまではJTと互角に渡り合う。有田自身も豪快にスパイクを決めた。しかし、またしてもセット半ばに喫した連続失点が響き、フォフィーニャの連続スパイクや途中交替で入った八幡の頑張りも虚しく、17-25。惜敗した前回の雪辱はならず、ストレートでの敗戦となった。




「サーブで崩され、自分たちのバレーができず、終始、相手のリズムになってしまった。攻撃面でも粘ってラリーに持ち込み、相手ブロックのスペースやディフェンスの穴をついていきたかったけれど、その前に相手に決定打を許してしまった」
 山田監督は敗因をそう分析したが、指揮するチームの方向性にまったくブレはない。レッドロケッツは誰か一人のエースに頼ることなく、全員で粘り強くボールをつなぎ、勝利へつながる糸口を見出していくチームである。今までもそうやって数々の栄光を築いてきたし、これからもそうやって戦っていくはずだ。そう考えると、いま何よりも欲しいのは一つのきっかけかもしれない。それもできれば、上位チームからの勝利というきっかけである。
 幸い、「チームの雰囲気は悪くない」と内藤は言う。若い選手も多いだけに、勢いさえつかめば一気に上昇気流に乗る可能性も秘めている。まずは次節の山口大会でしっかりと連勝し、その後に続く上位勢との4連戦を自信を持って迎えたいところだ。

(取材・文:小野哲史)


内藤香菜子選手、Vリーグ通算230試合出場を達成し「Vリーグ栄誉賞」の受賞が決定!




1月23日のパイオニアレッドウィングス戦で、内藤香菜子選手がVリーグ通算230試合出場を達成した。これにより、長期にわたってVリーグで活躍する選手に与えられる「Vリーグ栄誉賞」の受賞が決定。山田監督と、内藤選手が喜びのコメントを寄せてくれた。なお、表彰は4月10日、ファイナルラウンドの会場となる東京体育館で行われる。


山田監督
「230試合というと、すべての試合に出続けても7、8年はかかるそうです。そういう意味で素晴らしい業績だと思いますし、チームとしても祝福しています。内藤はプレーの面でもインテリジェンスがあり、精神的にもきちんとセルフコントロールできる選手。心身ともに一流のアスリートと言えるでしょう。所属チームの廃部など苦しい経験もしている分、メンタルが強くて我々にとっては心強い存在。これだけ長い間トップリーグでプレーしている選手なので、若手や中堅といった、これからバレーボール界を支えていく選手たちのモデルになってくれると思います」

内藤選手
「230試合と聞いて、そんなにやってきたんだという思いがあります。イトーヨーカドー、武富士と所属していたチームが廃部となりながら、今はこうしてNECレッドロケッツでプレーさせていただいています。私自身、これまで怪我が多かったので、常にいい状態でプレーを続けてこられたわけではありませんが、今までのチームでもNECでも、チームメイトやスタッフに支えられてきました。そして、ファンの方々の存在も大きかったです。所属チームが廃部となってしまい苦しかった時期でも、温かい応援が励みになりました。周りの方々には本当に感謝しています。Vリーグでプレーし始めた11年前には、これほど長く続けるなんてことは考えてもみませんでした。一つ一つの積み重ね結果が、230試合出場という結果につながったのだと思います。今後の数字の目標はとくにありませんが、NECの一員として、チームのために貢献できるように今まで通り頑張っていきたいです」

アーカイブ