2020/12/07
試合レポート
■レッドロケッツ応援記 ~12/4 初のナイトゲーム開催!姫路にストレート勝ちで9勝目を飾る~
2020年最終節となるホームゲーム、ヴィクトリーナ姫路戦はV1女子チームとして初のナイトゲーム開催が実現した。


新型コロナウイルス感染予防のガイドラインに則り、入場者数の制限はある中、ホーム川崎市とどろきアリーナへ訪れたサポーターの数は1,983名。会場内ではビールなどアルコール販売も行われ、通常の昼開催とはまた異なる客層、雰囲気の中、初のナイターホームゲームが幕を開けた。

真っ赤に染まったスタンドの後押しを受け、第1セットの序盤からレッドロケッツは古賀、古谷のスパイクや島村の速攻で得点し13-6と先行。島村のサービスエースや古谷、ネリマンのブロックなどサーブ&ブロックでブレイクを重ねる理想的な展開で25-18と第1セットを先取する。

第2セットも古賀のサービスエースやネリマンのスパイクとブロック、今季初スタメンの上野が攻守で存在感を発揮し13-7と先行。このまま一気に押し切るかと思われたが、メンバー交代を積極的に行い、緩急をつけたサーブで攻める姫路にレッドロケッツの攻撃が阻まれ連続失点。15-16と逆転を許す。
大きくリードした状態から逆転を許せばダメージも大きく、中でも本来は攻撃が武器のオフェンス型である古谷を姫路はサーブで狙うため、古谷にかかる負荷も高まる。そこで動いたのが共にサーブレシーブをする古賀だった。
「古谷選手のサーブレシーブは狭い範囲だけ任せてオフェンスに集中してほしかった。その分小島選手と私が広範囲で守ろうと決めて、その中でも私はサーブレシーブでも崩れず、オフェンスで点を獲ることが自分の役割だと思っているので、とにかくそこは集中していこうと意識していました」

18-20と姫路がリードして迎えた終盤、軟打でラリーを制した後、今度は高く上がった二段トスを叩き込む。今季は開幕からコート内で抜群のリーダーシップを発揮する古賀が、まさに“エース”と言うべき活躍を見せ、ネリマンのブロックポイントで再逆転。ジュースに突入したが、最後も古賀が3枚ブロックを打ち抜くバックアタック、さらにレフトから懸命に押し込んだスパイクで28-26、大熱戦の末に第2セットを制すると会場には拍手とハリセンの音が響いた。

第3セットから古谷に代えて吉田を投入。交代直後にライトから吉田がスパイクを決め、5-1と先行。セッターの澤田も「昨シーズンよりも余裕を持ってセットアップできている」と言うように、ミドルの上野、島村を使って中央に意識を引きつけたところで、古賀、吉田、ネリマンのサイドからの攻撃を織り交ぜ得点を重ねる。さらに長いラリーはエースの古賀に託す、まさにレッドロケッツの勝ちパターンとも言うべき展開で、第3セットは25-21。セットカウント3-0で勝利し、初のナイターでのホームゲームを勝利で飾った。

勝利の余韻が残る中、コートインタビューに立ったネリマンは「素晴らしい空間をつくってくれてありがとう。赤い色は炎の色、私のハート、情熱を高め、もっと素晴らしいバレーをしたいという気持ちをかきたててくれた」と満面の笑顔。現役時代もナイトゲームの経験はなかった、という金子監督も初の試みに対する感謝と、たくさんの応援に応える結果となった勝利に笑みを浮かべた。

「日本代表選手は19時開始など、夜のゲームにも慣れていますが、それ以外の選手は海外に行かなければ体験できないこと。見ている方々がビールを飲みながらバレーを楽しんでくれる。プロ野球やサッカー観戦に近い状況で、違う雰囲気をつくってくれるのはとてもいいこと。ナイトゲームという新しい試みの中、チームとしても新たな布陣で勝ち星を挙げることができてよかったです」

対戦相手の姫路はプロチームであり、ホームゲームにも力を入れているクラブだが、姫路の中谷監督も「うちもチャンスがあればチャレンジしてみたいし、今までのバレー界の観念にとらわれない取り組みをやるべき。アルコールも出すなど、チャレンジしているNECさんは素晴らしい」と初のナイトゲームを賞賛。9勝目を挙げただけでなく、バレーボール界全体に向けても新たなチャレンジとなる大きな一歩となった。

翌日の5日に行われた2020年最後のホームゲームは3-1でデンソーエアリービーズに勝利し、レッドロケッツは10勝目を挙げた。前節、札幌でのアウェイゲームでは悔しいフルセット負けを喫しただけに、喜びもひとしお。皇后杯、年明けからの後半戦に向けさらなる力と自信を得たのは間違いない。

さまざまな我慢を強いられ、苦しいことの多かった2020年。スポーツ、バレーボールで勇気や活力を与えられるように。来る新年、後半戦もレッドロケッツと共に戦おう。
■Hot Topics 古谷ちなみ

試合前、自らに掲げたテーマは「迷ったプレーをしてもいい結果にならない。決断して、割り切って取り組む」こと。持ち味であるオフェンスはもちろんだが、今シーズンは積極的に取り組んできたというサーブレシーブも含めたディフェンスでも貢献したい。ナイトゲームに臨む準備は万全だった。
有言実行とばかりに、第1セットの立ち上がりからスパイク得点を挙げ、8-3とスタートダッシュに貢献。ディフェンス面でも相手の緩急をつけたサーブに対し「直接失点しないことを心がけた」と言うように、厳しいボールは高く返し、時間を使って攻撃に入る。練習中から「パン、パン、パン」と声に出し、リズムよくレシーブから攻撃へ移行する意識を高めて来た成果を存分に発揮した。
とはいえ手応えと共に反省も残った。たとえば第2セット、13-7と大きくリードした場面でサーブが集まり、攻撃が絞らされたところをブロックに止められる展開を招き、13-13と同点に追いつかれてしまった。
「ディフェンスを頑張ろうと意識しすぎて、オフェンスも中途半端になってしまった。自分自身の強みであるオフェンスを活かしきれなかったのが、拮抗した展開をつくってしまった原因。チームでも『攻め』をテーマにしている中で、自分の強みであるオフェンスが目立たなくなっているので、もっとレパートリーを増やして、チームの中で目立つ存在でいられるようになりたいです」
年内のリーグ戦を終え、年が明ければ後半戦に突入する。課題や反省もこれからの力に変えて、チームを勝利に導く“起爆剤は私だ”とこれ以上ない形で見せつけるために、さらなる進化と成長を誓う。


新型コロナウイルス感染予防のガイドラインに則り、入場者数の制限はある中、ホーム川崎市とどろきアリーナへ訪れたサポーターの数は1,983名。会場内ではビールなどアルコール販売も行われ、通常の昼開催とはまた異なる客層、雰囲気の中、初のナイターホームゲームが幕を開けた。

真っ赤に染まったスタンドの後押しを受け、第1セットの序盤からレッドロケッツは古賀、古谷のスパイクや島村の速攻で得点し13-6と先行。島村のサービスエースや古谷、ネリマンのブロックなどサーブ&ブロックでブレイクを重ねる理想的な展開で25-18と第1セットを先取する。

第2セットも古賀のサービスエースやネリマンのスパイクとブロック、今季初スタメンの上野が攻守で存在感を発揮し13-7と先行。このまま一気に押し切るかと思われたが、メンバー交代を積極的に行い、緩急をつけたサーブで攻める姫路にレッドロケッツの攻撃が阻まれ連続失点。15-16と逆転を許す。
大きくリードした状態から逆転を許せばダメージも大きく、中でも本来は攻撃が武器のオフェンス型である古谷を姫路はサーブで狙うため、古谷にかかる負荷も高まる。そこで動いたのが共にサーブレシーブをする古賀だった。
「古谷選手のサーブレシーブは狭い範囲だけ任せてオフェンスに集中してほしかった。その分小島選手と私が広範囲で守ろうと決めて、その中でも私はサーブレシーブでも崩れず、オフェンスで点を獲ることが自分の役割だと思っているので、とにかくそこは集中していこうと意識していました」

18-20と姫路がリードして迎えた終盤、軟打でラリーを制した後、今度は高く上がった二段トスを叩き込む。今季は開幕からコート内で抜群のリーダーシップを発揮する古賀が、まさに“エース”と言うべき活躍を見せ、ネリマンのブロックポイントで再逆転。ジュースに突入したが、最後も古賀が3枚ブロックを打ち抜くバックアタック、さらにレフトから懸命に押し込んだスパイクで28-26、大熱戦の末に第2セットを制すると会場には拍手とハリセンの音が響いた。

第3セットから古谷に代えて吉田を投入。交代直後にライトから吉田がスパイクを決め、5-1と先行。セッターの澤田も「昨シーズンよりも余裕を持ってセットアップできている」と言うように、ミドルの上野、島村を使って中央に意識を引きつけたところで、古賀、吉田、ネリマンのサイドからの攻撃を織り交ぜ得点を重ねる。さらに長いラリーはエースの古賀に託す、まさにレッドロケッツの勝ちパターンとも言うべき展開で、第3セットは25-21。セットカウント3-0で勝利し、初のナイターでのホームゲームを勝利で飾った。

勝利の余韻が残る中、コートインタビューに立ったネリマンは「素晴らしい空間をつくってくれてありがとう。赤い色は炎の色、私のハート、情熱を高め、もっと素晴らしいバレーをしたいという気持ちをかきたててくれた」と満面の笑顔。現役時代もナイトゲームの経験はなかった、という金子監督も初の試みに対する感謝と、たくさんの応援に応える結果となった勝利に笑みを浮かべた。

「日本代表選手は19時開始など、夜のゲームにも慣れていますが、それ以外の選手は海外に行かなければ体験できないこと。見ている方々がビールを飲みながらバレーを楽しんでくれる。プロ野球やサッカー観戦に近い状況で、違う雰囲気をつくってくれるのはとてもいいこと。ナイトゲームという新しい試みの中、チームとしても新たな布陣で勝ち星を挙げることができてよかったです」

対戦相手の姫路はプロチームであり、ホームゲームにも力を入れているクラブだが、姫路の中谷監督も「うちもチャンスがあればチャレンジしてみたいし、今までのバレー界の観念にとらわれない取り組みをやるべき。アルコールも出すなど、チャレンジしているNECさんは素晴らしい」と初のナイトゲームを賞賛。9勝目を挙げただけでなく、バレーボール界全体に向けても新たなチャレンジとなる大きな一歩となった。

翌日の5日に行われた2020年最後のホームゲームは3-1でデンソーエアリービーズに勝利し、レッドロケッツは10勝目を挙げた。前節、札幌でのアウェイゲームでは悔しいフルセット負けを喫しただけに、喜びもひとしお。皇后杯、年明けからの後半戦に向けさらなる力と自信を得たのは間違いない。

さまざまな我慢を強いられ、苦しいことの多かった2020年。スポーツ、バレーボールで勇気や活力を与えられるように。来る新年、後半戦もレッドロケッツと共に戦おう。
■Hot Topics 古谷ちなみ

試合前、自らに掲げたテーマは「迷ったプレーをしてもいい結果にならない。決断して、割り切って取り組む」こと。持ち味であるオフェンスはもちろんだが、今シーズンは積極的に取り組んできたというサーブレシーブも含めたディフェンスでも貢献したい。ナイトゲームに臨む準備は万全だった。
有言実行とばかりに、第1セットの立ち上がりからスパイク得点を挙げ、8-3とスタートダッシュに貢献。ディフェンス面でも相手の緩急をつけたサーブに対し「直接失点しないことを心がけた」と言うように、厳しいボールは高く返し、時間を使って攻撃に入る。練習中から「パン、パン、パン」と声に出し、リズムよくレシーブから攻撃へ移行する意識を高めて来た成果を存分に発揮した。
とはいえ手応えと共に反省も残った。たとえば第2セット、13-7と大きくリードした場面でサーブが集まり、攻撃が絞らされたところをブロックに止められる展開を招き、13-13と同点に追いつかれてしまった。
「ディフェンスを頑張ろうと意識しすぎて、オフェンスも中途半端になってしまった。自分自身の強みであるオフェンスを活かしきれなかったのが、拮抗した展開をつくってしまった原因。チームでも『攻め』をテーマにしている中で、自分の強みであるオフェンスが目立たなくなっているので、もっとレパートリーを増やして、チームの中で目立つ存在でいられるようになりたいです」
年内のリーグ戦を終え、年が明ければ後半戦に突入する。課題や反省もこれからの力に変えて、チームを勝利に導く“起爆剤は私だ”とこれ以上ない形で見せつけるために、さらなる進化と成長を誓う。